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無線技術の種類とは?それぞれの特徴と活用シーンを詳しく解説

無線技術とは?基本的な仕組み

無線技術とは、電波や光を利用して情報を送受信する通信技術のことを指します。通常、通信には電波(ラジオ波)やマイクロ波、赤外線などが使用されており、ケーブルを使用せずにデータのやり取りが可能です。 無線通信は、スマートフォンやパソコン、家電製品、産業機器など、さまざまなデバイスで利用されており、現代社会において欠かせない存在となっています。本記事では、代表的な無線技術の種類と、それぞれの特徴や活用シーンについて詳しく解説します。  

無線技術の種類と特徴

Wi-Fi

Wi-Fi(Wireless Fidelity)は、無線LANの一種であり、家庭やオフィス、公共施設などでインターネット接続を提供する技術です。
  • 周波数帯域: 2.4GHz、5GHz(最近では6GHzも利用可能)
  • 通信速度: 最大9.6Gbps(Wi-Fi 6)
  • 通信範囲: 数十メートル程度
  • 用途: スマートフォン、パソコン、IoTデバイスの接続
Wi-Fiは広範囲で安定した通信が可能ですが、障害物に弱く、複数のデバイスが同時接続すると速度が低下することがあります。

Bluetooth

Bluetoothは、短距離でのデータ通信を目的とした無線技術です。
  • 周波数帯域: 2.4GHz
  • 通信速度: 最大3Mbps(Bluetooth 5.0)
  • 通信範囲: 数メートルから数十メートル
  • 用途: ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ、キーボード、マウスなど
低消費電力で省エネルギーな通信が可能なため、バッテリー駆動のデバイスに適しています。

5G / 4G LTE

5G(第5世代移動通信システム)および4G LTE(第4世代移動通信システム)は、モバイルネットワークの主力技術です。
  • 周波数帯域:
    • 4G LTE: 700MHz〜3.5GHz
    • 5G: 3.5GHz〜6GHz(Sub-6)、24GHz以上(ミリ波)
  • 通信速度:
    • 4G LTE: 最大1Gbps
    • 5G: 最大20Gbps
  • 通信範囲: 数百メートルから数キロメートル
  • 用途: スマートフォン、タブレット、自動運転車、遠隔医療など
5Gは高速・低遅延・多接続を実現し、次世代の通信インフラとして期待されています。

LPWA(LoRa、Sigfox、NB-IoT)

LPWA(Low Power Wide Area)は、低消費電力で広範囲の通信を可能にする無線技術です。
  • 周波数帯域: 900MHz帯、サブGHz帯
  • 通信速度: 数kbps〜数百kbps
  • 通信範囲: 数キロメートルから数十キロメートル
  • 用途: スマートメーター、農業モニタリング、物流管理
LPWAは低消費電力で長距離通信が可能なため、IoT(モノのインターネット)分野での利用が進んでいます。

RFID / NFC

RFID(Radio Frequency Identification)とNFC(Near Field Communication)は、短距離でデータを読み取る技術です。
  • 周波数帯域:
    • RFID: 125kHz(LF)、13.56MHz(HF)、860-960MHz(UHF)
    • NFC: 13.56MHz
  • 通信範囲: 数センチメートル〜数メートル
  • 用途: 交通系ICカード、電子決済、商品管理
NFCはスマートフォンの決済システムにも利用されており、非接触でのデータ通信が可能です。

衛星通信

衛星通信は、人工衛星を介してデータを送受信する技術です。
  • 周波数帯域: GHz帯
  • 通信速度: 数Mbps〜Gbps
  • 通信範囲: 地球全体
  • 用途: GPS(全地球測位システム)、気象観測、災害時の通信手段
通信インフラが整っていない地域でも利用できるため、災害対策や遠隔地での利用に適しています。  

用途別の無線技術の選び方

 
  • 家庭やオフィスでのインターネット接続 → Wi-Fi
  • スマートフォンやタブレットのモバイル通信 → 5G / 4G LTE
  • ウェアラブルデバイスや周辺機器の接続 → Bluetooth
  • 長距離・低消費電力のIoT用途 → LPWA(LoRa、Sigfox、NB-IoT)
  • 電子決済や商品管理 → RFID / NFC
  • 遠隔地での通信やGPS測位 → 衛星通信

無線技術の進化と今後の展望

無線技術は日々進化しており、特に5GやWi-Fi 6の普及が進んでいます。また、次世代の「6G」も研究されており、さらに高速・低遅延・大容量の通信が可能になると期待されています。 また、IoTの拡大に伴い、LPWAやBluetooth Low Energy(BLE)の活用が増え、より多くのデバイスがインターネットに接続される時代が到来しています。  

まとめ

無線技術は多様な種類があり、それぞれ異なる特徴と用途を持っています。Wi-FiやBluetooth、5G、LPWA、RFID、衛星通信など、目的に応じて適切な技術を選択することが重要です。 今後も技術の進化とともに、無線通信の可能性はさらに広がるでしょう。日常生活やビジネスのあらゆる場面で無線技術が活用され、より快適で便利な社会が実現されることが期待されます。